koohiiko77の日記

感じたこと、伝えたいことを書いていきます。

初めましてと、「この世界の片隅に」

 初めまして、珈琲子です。これから気になった本、気になる映画等自分の感性に触れたものについて書いていきたいと思います、よろしくお願いします!

 

 はじめの感想は、映画「この世界の片隅に」です。

 

 糸井重里さんがtwitterでお勧めしているのを見て、昨日観に行きました。まず、見終わったあとに誰かに薦めたい気持ちがすごく分かりました。それは映画が良い、悪いの前にストーリー、映像ともに濃厚で、インパクトが強いからです。二時間強で得られるこの映画からの情報は、間違いなく有意義なものです。良い悪いの前にまず観に行って!二時間後悔しないから!と強く人に言いたくなります。どの人がこの映画のために一日の二時間を失っても、損はないと、自信持って薦められます。

 

 

 以下、ネタバレはせずに感想を書きます。

 

 

 

 主人公すずは18で広島の呉に嫁ぎ、そこから第二次世界大戦の日常へと入っていきます。周りの男の人達はどんどん徴兵されていき、食べ物の配給も少なくなってきます。すずの「普通」の生活が、「戦争」という大きな力によって、無理やり変えられていきます。

 

 まず、この映画の映像に幅を持たせているのは、「すずの想像力」です。すずは小さな頃から絵を描くのが好きで、頭の中に浮かぶ想像の世界を現実の紙に書きだしていきます。そしてアニメーションに作られているこの映画では、たびたびすずの「想像の世界」が入り込み、現実の世界と映像の中で融合します。アニメーションの持つ「非現実的な映像」を表現するという特性はこの作品でも生かされており、残酷な現実の中で、すずの想像力がすず自身を救い、すずの周りの人間を残酷な現実から救います。

 

 この映画からすくい取れるポジティブなメッセージは、「何事も楽しもうと努力すること」です。

 

 絵を描くのが好きなすずの行動は、小さな子供のように無邪気で彼女の中の想像力を駆使しています。蟻に砂糖を食べられないように置き場所を考えたり、配給の少ない時代のため、食べられなくなってしまった食べ物を絵に描いてあげたり。現実の世界がどんどん厳しいものになっていっても、彼女の頭の中は豊かなままで、厳しい現実に負けないように、彼女は知恵と想像力で生活を楽しみます。すずの周りの家族もそうです。楽しむことで、戦争という暴力に、気付いていないようなふりをして抗います。誰も傷つけたりはせずに、抗います。

 

 たとえどんなに反対しても、努力をしたとしても、すずが戦争を止められるとは思えません。

 

 現実に起きた出来事には、自分で変えることができるものと変えることができないものがあると思います。この映画での「戦争」は後者です。この時代の女性で、教育を受ける環境も整っていない中で、すずがこの「戦争」という大きな現実を変えることは不可能です。

 でも今、自分にできることをする。全力でする。すずは自分ができることを、全力でやっていたと思います。

 

 そしてすずは、いつも誰かを自然に助けようとします。不意にやってきてしまった鳥も自分の命を顧みずに別の場所へ行くよう叫び、身寄りを失った子にも、何でもないように接します。誰がいつ死ぬか分からない状況だからこそ、助け合うということが、とても大切なことなのだと思いました。家族をつくるのもそうです。一人では生きていけないから、共同体をつくって、支え合うんです。「生きる」ことが目的なんだと、思いました。

 

どうしたって自分の力では抗えない大きな力が自分に降りかかった時に、私達にできるのは、「自分が持っている全力を出しきること」これしかないと私は思います。受け入れることしかできない現実もあります。それでも「絶望しない努力」が大事なんだと思います。

 

まだ映画館でやっているようなので、ぜひぜひ観に行ってくださいね!