koohiiko77の日記

感じたこと、伝えたいことを書いていきます。

私たちは壊し作り直して生きている

 こんにちは、こーひい子です。今日は表参道にあるスパイラルマーケットに行ってまいりました。わたしの部屋の白い時計はスパイラルで買い、本棚に飾っている何枚かのうちの一枚のポストカードはスパイラルで買い、今日も空き箱に貼るためのラッピングペーパーを一枚買いました。もう正直パワースポットです。

 ではでは本題です。 

 

 「動的平衡」 – 福岡伸一

 

① 動的平衡ってなに?

 

 どうてきへいこう。この言葉の意味をご存知でしょうか?

 本書の言葉を見てみましょう。

 

 これが「エントロピー増大の法則」である。エントロピーとは、「乱雑さ」の尺度で、錆びる、乾く、壊れる、失われる、散らばることと同義語と考えてよい。

 

 エントロピー増大の法則に先回りして、自らを壊し、そして再構築するという自転車操業的なあり方、つまりそれが「動的平衡」である。

 

 ここに書いてある言葉だけでは、まだ「動的平衡」の意味は分からないですね。

 わたし達の体はとめどなく更新されています。ターンオーバーという言葉はご存知でしょうか?皮膚の細胞が一定のサイクルで新しい細胞に変わっていくことです。皮膚だけではなく、体の内側にある消化管や、心臓もそうです。脳だって例外ではなく、つねに体の細胞は壊され新しい分子に置き換えられています。

 どうして体は細胞を壊しては、新しく作りなおす作業をつづけているのでしょうか?

 

 その理由を著者は、わたし達人間は時間を戻せないから、と書いています。

 時間が進んでいくと、変わらない物は風化したり錆びたりして壊れます。建築物は補修をしないで何十年も放っておくと、風と雨にあたり傷つき壊れてしまいます。

 時間が経つと、今かたちある、変化しないものは壊れていきます。

 「動的平衡」は時間と上手く生きていくために、わたし達の体が最良の作り上げたシステムです。時間が進むことによって劣化し衰え消えていく、つまりエントロピーが起きます。

 「動的平衡」はその動きに先回りをして、自ら破壊し作りなおしてエントロピーによる体の破壊を防いでいるのです。

 死を防ぐことはできませんが、「動的平衡」はわたし達の命をより遠くへと、未来へと運んでいくためのシステムです。

 

② 子供のときより、どうして時間が経つのが早いの?

 

 20代、30代と時が経っていくほどに、時間の流れが早くなっている気がしませんか?

 わたしは感じます。「あれ、もう年末?」と毎年思います。

 この感覚にもちゃんと仕組みがあり、原因はわたし達の体内時計の感覚だったようです。

 そしてもう一つの厳然たる事実は、私たちの新陳代謝速度が加齢とともに確実に遅くなるということである。つまり体内時計は徐々にゆっくりと回ることになる。

 しかし、私たちはずっと同じように生き続けている。そして私たちの内発的な感覚はきわめて主観的なものであるために、自己の体内時計の運針が徐々に遅くなっていることに気がつかない。

 

 時間の進むスピードは一定ですが、わたし達の体内時計は年をとればとるほど遅くなっています。時間が進むのが早いのでなくて、わたし達の感覚が本当の時間と遅くずれてきているんです。

 本書のこの体内時計の部分を読んでいる時に、わたしは不思議に思いました。みんながどうしてだろう?と答えが分からなかった疑問が、あっさりと本で答えを見つけられたという事実にです。

 分からないことは調べる、という習慣を自分がつけていないから、調べたら分かることをずっと知らないままなんです。

 自分が思い浮かぶ疑問のほとんどはもうすでに解決されているのではないかと、読書をしていると感じることがあります。知ろうと思い調べる習慣をつけるのが大事ですね。

 

③ コラーゲンをは飲んでも意味がない?

 

 食品として摂取されたコラーゲンは消化菅内で消化酵素の働きにより、ばらばらのアミノ酸に消化され吸収される。コラーゲンはあまり効率よく消化されないタンパク質である。消化できなかった部分は排泄されてしまう。

 一方、吸収されたアミノ酸は血液に乗って全身に散らばっていく。そこで新しいタンパク質の合成材料になる。しかしコラーゲン由来のアミノ酸は、必ずしも体内のコラーゲンの原料とはならない。むしろほとんどコラーゲンにはならないと言ってよい。

 

 衝撃の事実です。ドラッグストアに行けばあんなにもコラーゲン配合が売りのドリンクやサプリメントが売られているというのに。コラーゲン入りが売りの鍋がメニューに並んでいるというのに。

 怖いのは、誤った可能性のある情報を前提にした商品が今もたくさん販売されていることです。コラーゲンを飲めば肌が綺麗になる、という情報を疑ったこともありませんでした。街を歩いた時に触れる情報は、どこまで真実なのでしょうか?

 

 本当のことを言ってしまったら商品が売れないから。一度売り出してしまった以上訂正するわけにはいかない。おそらくこういった理由で、十分に検証されていないあやふやな情報が世の中に出ていっているのだと思います。

 誰かのせいにはせずに、どうしたら変えられるかを一緒に考えましょう。

 どうしたら正しい情報を、わたし達一人一人が拡散できるようになるのでしょうか?

 

 いまわたしが思いつくのは、浮かんだ疑問は調べる癖をつけることと、なるべく沢山の情報に触れる癖をつけることです。触れる情報が多ければ多いほど、間違いをただす情報に触れる可能性が上がり、あやふやな情報の矛盾に気づけます。できる限りのことをするしかありません。

 

 「完璧に正しい!」なんてことはないってことを、胸にとどめておくのがいいのかもしれないですね。

 

 ではではまた明日。