言葉のない世界で伝える力を持つこと
気づけば幼い頃から情報収集が好きだった。
情報収集といっても自分の生活に関係ないものの情報収集が好きだった。実際の自分の生活を改良させる意欲はなかったし、それよりももっと魅力的な情報はいくらでもあった。
情報はおもに本から、言葉から収集していた。
言葉を読むのも使うのも書くのも聞くのも好きだ。生まれながらに持った趣好だと思う。
しかし言葉であればなんでもいいわけではない。綺麗だと感じる言葉が好きだから、美しさを重視している言葉がいい。簡潔な言葉が好きだけれど、無駄がある言葉の中にも好きなものはある。
けれど、映像や絵といった、言葉ではないもので伝える力も鍛えたい。
言葉のある世界でも、沈黙が何かを伝えることがある。そして沈黙が伝える力は、言葉をあまり好まない人にも、言葉が伝えたいものを伝えることができる。
言葉のない世界で伝える力を鍛えて、またそこから得た情報を、言葉のある世界に戻したい。そうやって行き来を繰り返し、コツコツ積み重ね、淡々と自分の中にあるものを生みだしたい。
新しいものを生みだす喜びは大きく、誰も傷つけない(はず)の喜びだ。